ウセラ、マドリードのチャイナタウン

  • Desfile Año Nuevo Chino en Usera
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スペイン最大の中国人コミュニティが存在するウセラ(Usera)地区が、人気を集めています。マタデロ・マドリード(Matadero Madrid)とマドリード・リオ(Madrid Río)の南にあり、現代アートを中心とした活発なカルチャーライフ、マンサナレス帯状公園(Parque Lineal del Manzanares)ムトゥア・マドリード・オープンの会場であるカハ・マヒカ(Caja Mágica)ショッピングモール・プラサ・リオ2(Centro Comercial Plaza Río 2)など、非常に興味深い場所で際立つこの地区に、中国人コミュニティの商店、レストラン、祭りが彩りをもたらしています。さあ、出かけてみましょう!

プラガ橋(Puente de Praga)、サンタ・マリア・デ・ラ・カベサ通り(Paseo de Santa María de la Cabeza)、2017年からエリプティカ広場(Plaza Elíptica)と呼ばれているフェルナンデス・ラドレダ広場(Plaza de Fernández Ladreda)、マドリードとシウダー・レアルを結ぶ国道401号線が境界となっているマドリードのこの地区は、オルカシータス(Orcasitas)、オルカスール(Orcasur)、サン・フェルミン(San Fermín)、アルメンドラレス(Almendrales)、モスカルド(Moscardó)、ソフィオ(Zofío)、プラドロンゴ(Pradolongo)の6地区で構成され、ここ数年マドリード有数の活気ある地区になっていますが、その主な理由は、商店、レストラン、祭りで特別な彩りをこの地区にもたらしている、大規模な中国人コミュニティの影響にあります。

春節

毎年ウセラ地区は、春節(1月末/2月最初)の訪れを祝うアクティビティの中心地になります。あらゆる好みと年齢層向けに考えられた、多様な文化イベントプログラムがある祭典は、ウセラ地区の文化、観光、スポーツ分野と議会が主催し、中華人民共和国大使館、ウセラの中国協会、アーティスト集団、住民協会、カサ・アシア、マドリード孔子学院の協力を得ています。

プログラムされたアクティビティには、何千年もの歴史を持つ武術の演武、巨大な龍と獅子のパレードなど、中国文化をより深く知ることができる伝統的な提案が含まれています。ダンス、映画、料理、音楽、スポーツ、文学のイベントや講演も行われ、マドリードの中国人コミュニティの活力を示します。

最も多くの人出がある行事の2つは、壮観な中国の旧正月祭り春節の多文化的な大パレードで、後者は伝統的な巨大な龍と獅子や、提灯で飾られた活気に満ちたパレードが地区の通りを巡ります。

中国の旧正月祭りは通常プラドロンゴ公園(Parque de Pradolongo)で開催されます。この公園はウセラ地区の主要な緑地であるとともに、その形態、様々な利用法、約60ヘクタールの広さによって、マドリード有数の象徴的な緑地になっています。広々とした中央エリアには、東屋と大きな湖があります。湖の北には1979年創立の植物園があり、案内板と主な植物種の説明板が設置されています。

Festival de la Luz en Parque de Pradolongo. Año Nuevo Chino 2023

最高の中華料理

いくつかのレストランでは、本格的で風味豊かな中国の伝統料理が味わえます。素晴らしい料理の伝統に加え、地域の多様性も非常に幅広く、広東料理から、雲南料理、上海料理、四川料理まで、バラエティ豊かな料理を提供しています。

中でも際立っているのが広東料理のRoyal Cantonés (Calle Olvido, 92)で、多くの人々からマドリード最高の中華料理店とみなされています。2009年の開店以来、最高の広東料理を作り続けて10年以上。提供される料理には、クラゲ、アキレス腱、ダック、蓮根、点心などがあります。

ニコラス・サンチェス(Nicolás Sánchez)通り11番地にあるHong Kong 70 in Chinatown では、最も伝統的な広東料理が味わえます。広東料理の熟練のシェフが腕を振るい、点心は優れた職人が毎日作っています。充実したメニューには、香港スタイルのローストやダックなど、代表的な香港料理が揃っています。

レストランLao Tou(Nicolás Sánchez, 35)では、代表的な四川料理と広東料理が味わえます。新しい風味と食感を求める方のための、100%伝統的な料理です。一方、Picante de Sichuán(Dolores Barranco, 10) では本格的な中華料理が味わえ、シャオカオ(バーベキュー)や回鍋肉などのメニューがあり、辛い料理が好きな方にぴったりです。

Hong Kong 70 in Chinatown

ウセラのアート

新世代のクリエーターとアーティストは、カラバンチェル などのマドリードの地区に活動の場所を求め、現在ではウセラが人気になっています。新しい芸術トレンドと若いクリエーターの活動を促進するためのスペースと場所が、次々と作られています。

アーティストのオクダ・サン・ミゲルは、彼のエージェントInk and Movementとともに、現代アートの創造、管理、普及の新しいスペースであるFactory of Dreamsを運営しています。カルメン・ブルゲラ(Carmen Bruguera)通り8番地で展開する同プロジェクトは、クリエーター、業界、一般の人々の間に新しい関係モデルを提案しようというアイデアから誕生しました。同スペースは、展覧会、情報コンテンツ、研修会を中心としたプログラムを紹介しています。

Okuda San Miguel

ウセラには、コワーキングスペースと独立系アート施設のEspacio Oculto Madrid (Nicolás Usera, 27)もあります。アーティストやクリエーターの出会いの場であり、研究、創作、生産、流布、共有が促進されています。このワークコミュニティ施設は、アーティスト、工業デザイナー、建築家などの専門家に対して、作品制作に必要な物理的手段を提供しています。

セロ・デ・ロス・アンヘレス通り(Avenida del Cerro de los Ángeles)には、参加アーティストに応じて毎月展示内容が変わるアートスペース、Habitación Número 34があります。従来の文化センターにはスペースがない若いスペイン人アーティストたちの、ビジュアル作品や音楽作品を紹介することを目的とした施設です。

ピラリカ(Pilarica)通りでは、工場がアトリエになった87番地のEl Arco Azul - Studioと、現代アートの枠組みとしてポスト自然主義的なものを探る、81番地の芸術実験施設Institute for Postnatural Studiesに足を運ぶことができます。

また、1991年からマドリード在住のイギリス人画家サイモン・エドモンドソン(Simon Edmondson)はウセラにアトリエがありますが、見学できるのはOpen Studio Useraイベントの一般公開日のみです。

ウセラでは、工房や創作スペースの一般公開日であるArtistas de Useraイベントが、定期的に行われています。現代アートへの情熱を共有する、様々なプロジェクトと歴史が展開する全ての場所に、無料で自由に入場できます。

その他、1980年代にアルベルト・コラソンが設計した日時計が17あるモスカルド(Moscardó)地区も、訪れてみる価値がある場所です。これらの日時計は、1982年にマドリード市役所がアーティストでデザイナーのアルベルト・コラソンに依頼したプロジェクトの一部で、2022年に地区議会が修復し、現在では日時計を巡る地区の見学プログラムがあります。

Relojes barrio de Moscardó

文化的イニシアチブ

2022年の秋、ウセラに同地区の中国人コミュニティが寄贈したパンダの彫像が設置されました。中国の国宝とされているパンダは、何千キロも離れたマドリードで、両国間の友情と調和の証になっています。作品は大理石の彫刻で、花崗岩の台座に置かれ、高さ1メートル、重さ500キロ。スペインと中国の歴史的な結びつきのしるしであるこの像は、ピラリカ(Pilarica)通りとフリオ・メリノ(Julio Merino)通りの交差点に位置しています。

Usera, el Chinatown madrileño - Oso panda escultura

文化センター

ウセラ地区ではあらゆる人々が対象の文化活動が、地区内の複数の施設で実施されています。ウセラ地区議会展示ホール(Salón y sala de exposiciones en Junta Municipal de Usera) は年間を通じてイベントを開催し、スペイン画家・彫刻家協会と積極的に協力して、アートスペースで計画される展覧会で著名アーティストの作品を紹介しています。春節の祝賀プログラムの一部も、ここで行われています。

サン・フェルミン地区公立図書館(Biblioteca Pública Municipal San Fermín)では、子供向けのワークショップや公演をはじめ、あらゆる人々を対象にしたイベントが開催されています。また、館内では、建物の歴史とウセラ地区に同館が設立された経緯を表現した、アーティストのオクダ・サン・ミゲル作の壁画が鑑賞できます。

ウセラのその他の文化スペースとしては、オルカスール文化センター(Centro Cultural Orcasur) メセタ・デ・オルカシータス文化センター(Centro Cultural Meseta de Orcasitas) があり、これらの施設には展示室、講堂、リハーサル室、複数の教室、ジムが備わっています。 

名所

ウセラのドセ・デ・オクトゥブレ(Doce de Octubre)の周辺には、マンサナレス帯状公園があります。この地域の環境の回復は、1990年代末の非常に興味深い建築提案の一つで、リカルド・ボフィルの建築ワークショップが手がけました。野菜畑、オリーブ畑、自然な河床が、ドミニク・ペロー設計の高性能のテニス施設Caja Mágicaを取り囲んでいます。ショー、レジャーや企業の文化イベントの他、ムトゥア・マドリード・オープンなどの主要スポーツイベントの会場となる多目的スペースです。

マドリード・リオ内、マタデロ・マドリードの前に、ショッピングモール・プラサ・リオ2があり、国内外のブランド100店舗以上と様々なレストランが揃っています。大きなテラスがあり、街と回復された川のパノラマを楽しむことができます。

また、ウセラ地区にはスペイン最大規模の病院、ドセ・デ・オクトゥブレ大学病院(Hospital Universitario 12 de Octubre)(Avenida de Córdoba)もあります。国内外で高く評価されている同院は、すべての診療科と最先端技術を備え、スタッフは専門家約7,000人で構成されています。 

Parque Lineal del Manzanares

宿泊施設

同地区または周辺地区に宿泊をご希望の方には、様々な選択肢があります。その一つのe-Kilibrio: Hotel y Apart-Suitesは、マドリードのドセ・デ・オクトゥブレ病院からわずか270メートル、アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港から22分の距離に位置する、モダンで快適、100%エコな施設です。 

他の選択肢のHotel Madrid Ríoには、快適な滞在に必要な設備がすべて揃っています。市内中心部からわずか15分、マンサナレス川のほとりにあり、マドリード・リオの新しくなった緑地帯、ショッピングモール・プラサ・リオ2のすぐ近くにあります。

 

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  • マンサナレス川に平行して広がるマドリードの緑地帯は、「マドリード・リオ」と名付けられた巨大なレジャー・カルチャーエリア。

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